頑張らないと、生きていけない…!?
「なんの苦労もせずにごろごろねっころがってるだけでお金がいっぱいもらえておいしいご飯を食べられて好きなときに好きなだけ寝られる毎日」
考えただけでわくわくしちゃいますね!!
でも、現実はそんなに甘くない…
働かないとお金は入ってこないし、必死に努力して自分のスキルを磨かないと仕事にさえありつけずに生きていけなくなるかもしれないし、ご飯を食べられないくらい忙しい時だってあるし、朝は早く起きて時間通り出勤しないといけないし、残業やら家事やらで寝る時間もとれないことだってある…
頑張らないと、生きていけない。
ついそんなふうに思ってため息が出てしまうときが、ぼくにもありました。
だけど、「夢の食っちゃ寝生活」を実現している生き物は、実在するのです。
それも、弱肉強食の自然界に――
コバンザメさんのメガシンカ……!!
みなさんは、コバンザメさんというお魚をご存知でしょうか?
サメというお名前ですが、スズキというお魚の仲間だそうです。
コバンザメさんは、頭になんだか小判みたいなギザギザの吸盤をお持ちで、その吸盤を他の大きなお魚のお腹に押し当てることで、他のお魚にくっつくことができます。
くっつくことで他のお魚が食べこぼしたご飯をもらえたり、楽ちんに海の中を移動したりできるのです。
かなりのグータラですね。
他人(魚)に寄生して生きる、という生き方は、ぼくたち人間の感覚でいうとなんだかちょっぴり抵抗を感じてしまいます。(楽をよしとするぼくにもそんな心がまだ残っているだなんて…)
ただでさえグータラらくちん生活を送っているコバンザメさんが、最近さらなる進化を遂げているそうです。
人類の希望、コバンザメさん…!!
なんと、奄美大島のマグロ養殖場のそばに集結し、養殖場から勝手に流れてくるご飯を食べながら毎日海底でごろごろねころんでいる、というのです。
そこに暮すコバンザメさんたちは、みんなころっころに肥っていて、たまーに忙しく動いたと思えばメスといちゃいちゃしていたりして、とっても幸せそうでした。(「奄美大島 コバンザメ」で画像検索するとかわいいものが見られるよ)
初めは数匹だったコバンザメさんたちはどんどん集まってくるようになり、だんだん群れでごろごろするようになって、もう10年ほど経つそうです。
マグロ養殖場のそばは浅瀬の砂地になっており、コバンザメさんの天敵となるような大きな生き物は入ってこられない上に、餌を取り合うライバルになりそうなお魚たちはみんな珊瑚などの隠れられるものがある場所を好むため、隠れる場所が少ない砂地にはあまりやってこず、コバンザメさんは完全にご飯独り占め状態とのことです。
こんな生き方が、あるなんて――
頑張らないと幸せになれないと思っている人類にとって、コバンザメさんは大いなる希望です。
頑張らなくても、幸せでいられるし、豊かになってもいいんですね…
ぼくも、こんなふうに、ひたすらのんびりらくしてたのしくじゆうにげんきになかよく暮すぞ…
コバンザメに、俺はなる…!!
おしまい。
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