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怪しい漢方薬のお店で謎の小部屋に連れ込まれる①

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雑記
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ぼくは、あやしい漢方薬を売っているお店に行きました。

ぼくがよく通る道沿いにあるこじんまりしたお店で、「薬草茶」だの「中国式足つぼマッサージ」だの怪しげなのぼりが出ており、お茶や薬の販売だけではなく「薬膳ラーメン」や「薬膳カレー」などの謎メニューを食べることができる食堂でもあるようです。

ずっとずっと気になっていましたが、たいへん入りにくい雰囲気なのでこわくて素通りしていました。

だけど、今日はとってもひまだったので、頑張って突撃してみることにしました。ぜひとも「薬膳ラーメン」とかいう不思議ラーメンを食べてみたかったのです。

おそるおそるお店に入ると、怪しげな外見とは裏腹に、意外と小綺麗な店内で、小さな薬局みたいな雰囲気でした。

靴を脱いでスリッパに履き替えて入店するスタイルも、なんだか病院系の建物を彷彿とさせました。

2人がけと4人がけのテーブルが2つずつあるちんまりした食堂スペースにはぼく以外には誰もお客さんがいませんでしたが、食堂のとなりに謎の小部屋があり、そこからは何かひそひそとしたおじさんの話し声が聞こえて来ました。

お料理担当と思われる女性の店員さんが対応してくれて、なんとお店にある薬草茶の試飲がドリンクバー形式で自由にできることと、謎のお菓子たちも食べ放題なことを教えてくれました。
素晴らしいシステムです。

ぼくは「薬膳ラーメン 780円」を注文して、ラーメンができるまでの間に謎茶と謎菓子をいろいろと試してみることにしました。

聞いたことがない、名前も覚えられない謎の草から作られたお茶はかなり独特の匂いがして、「めっちゃうまい!!」という感じではありませんでしたが、面白い味でした。
謎菓子たちはカボチャの種?や、しょうがの砂糖漬けやサンザシとかいう謎果実で作ったグミに近いお菓子などバラエティーに富んでいて、どれもおいしかったです。

しばらくするとお待ちかねの「薬膳ラーメン」がやって来ました。

白湯(パイタン)系?のちょっとクリーミーなスープは、ハッカクとかシナモンとかそっち系の匂いがぷんぷんして、薬膳というだけあってなかなかお薬チックな、あまり食べたことがないような味でしたが、なかなかおいしかったです。

ただ、クコの実とかナツメとか、何か赤い果物のようなものがラーメンの中に入っているのですが、これが結構甘くてあまりラーメンには合わないなぁと思いました。

ラーメンをおいしく頂き、謎茶の試飲を楽しみながらのんびりしていたら、ふいに例の小部屋の扉が開きました。

小部屋の中からスーツを来たおじさんと、ややヨボヨボした小太りのおじいさんが出てきました。

スーツのおじさんはなにやら数珠のようなものを腕にじゃらじゃらつけていて、いかにも「こういうお店」が好きそうな感じでした。

おじさんはヨボヨボおじいさんと何か紙を見ながらボソボソ話をして、お会計を済ませて帰って行きました。

いったいあの小部屋はなんなのかしら、と思って横目で見てみると「虹彩撮影室」とかいうめちゃくちゃ怪しい名前が書いてありました。

ぼくは恐れおののき視線をテーブルに戻しました。
すると、テーブルの上のメニューの中の1枚に、「虹彩診断 あなたにぴったりのお茶の無料サンプルを差し上げます」
というものがありました。

どうやら中国医学の謎技術によって人間の目の「虹彩」を診ることで、その人の体調を読み取り、体調にぴったり合ったお茶をブレンドしてくれるサービスのようです。

興味津々で見ているのが気づかれてしまったのか、いつの間にかおじいさんが近づいて来ていて、
「気になるなら、診てあげようか?」
と声をかけて来ました。

つづく。
怪しい漢方薬のお店で謎の小部屋に連れ込まれる②

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